コラム

<ねじ締結>増締め運用の限界・材料力学の基礎②

2022.04.05

増し締めの限界

これを克服する為、ねじは定期的な検査で増し締めが奨められています。特に大型トラック・バスではホイール脱着後は50~100km走行する度にホイールナットの増し締めが奨励されています。

増し締めの奨励

一般的な締め付け方法はトルク法・回転角法・トルク勾配法等が有りますが、トルクレンチ(その時に行っている締付力の測定器付きのレンチ)1本で対応出来るトルク法が広く普及しています。

ボルト締付の概要説明

トルク法はねじの締め付けトルクと軸力の関係が線形である弾性範囲を想定していますが、ねじとナットの間に砂・ほこり・油が入る場合等により、作用する摩擦力にばらつきが出る事、どこまでがねじの弾性域であるかが不明確である事等から、ねじに安定的な軸力を作用させることは難しく、ばらつき度(締めつけ係数)を考慮する必要があります。

締めつけ係数の説明

トルクレンチを適切に使えば、締付力を一定とする事は可能であります。しかし全ての作業を同じ作業員が同じトルクを使う事や、すべてのボルト締め作業にトルクレンチが使われることは現実的ではありません。また力の強い人間が増し締めを行い、ねじの弾性域を超えてしまった場合、ねじが塑性化してしまい、作用する軸力が過大となります。

またねじ1本ずつが塑性化したかどうかを簡易に検査する方法は無く、一度塑性化してしまったねじが弾性特性を取り返すことは出来ない為、同じ機能を発揮させるためには、ねじを交換する方法しかありません。

これらの事象(弾性と塑性の特性を用いた締付方法)は材料力学の基礎である、応力ひずみ曲線(次コラム材料力学の基礎を参照)を軸力ナット回転角曲線(図8)に置き換えて理解すると明瞭です。。
応力ひずみ曲線は縦軸に応力、横軸にひずみとしていますがそれを可能にした軸力ナット回転角の考えは、縦軸を軸力、横軸にナット回転角として、ねじの軸力と締結具合の可視化した曲線になります。

★軸力ナット回転角曲線

★弾性域締付と塑性域締付の図

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