コラム

<技術解説②> コンクリート構造の種類と寿命について

2022.02.28

はじめに

一般的にコンクリート構造物は、鉄筋コンクリート構造、プレストレストコンクリート、無筋コンクリート構造という3つのタイプに分けることが出来ます。それぞれにおいて、長所や短所があるため、特徴に応じて活用することが重要です。ちなみに混同されることも多いセメントとは、コンクリートの元となる粉末形状の素材で、セメントに水や砂などを加えてコンクリートにします。本コラムでは、コンクリートの構造について説明した後、活用される期間、即ち寿命についてまとめております。

鉄筋コンクリート構造

圧縮力と引張力に対し、コンクリートと鉄筋が一体となって抵抗する構造でマンションなどに採用されております。

コンクリートは圧縮力に強く耐久性に優れているものの、引張力に弱い特徴を持つ材料です。一方で鉄筋は引張力に強いが、圧縮力に弱く、また空気中に触れていると参加や腐食を発生させる弱点があります。これらの正反対の性質を持つコンクリートと鉄筋を一体にして、引張力にも圧縮力にも強い性能を持つのが鉄筋コンクリート構造です。別名RC構造とも呼ばれ、19世紀半ばにフランス植木職人が特許を取得したのが始まりを言われております。

鉄筋コンクリート構造では、鉄筋でしっかりと骨組みを作っていくことで、様々な形状に対応することが出来ます。また、鉄筋は容易に入手でき、建設コストを低減することが可能です。欠点として、鉄筋を組み上げる(配筋工事)工事が必要になり、工期が長くなります。また、処理する際の費用も高くなることが知られています。

プレストレストコンクリート構造

コンクリートは引張力に対する抵抗力が低いことは前項で述べた通りであり、鉄筋を配置したとしても、引張によりひび割れが生じてしまうことが多くあります。そこでPC鋼材と呼ばれる針金のような細い鉄の棒材を用いて、コンクリート自体にあらかじめ圧縮力がかかった状態とすることで、引張力によってひび割れを生じさせないようにした構造がプレストレストコンクリート構造です。PC構造とも呼ばれます。

他の構造よりもひび割れが生じにくいだけでなく、部材面積が小さくなるのでスパン(支柱と支柱の距離)を大きく取ることが可能となります。一方で、もし構造物が損傷した際には、補修や復旧が他の構造よりも困難となります。

無筋コンクリート構造

無筋コンクリート構造とは、いわゆるコンクリートのみの構造のことで、当然外部からの引張力には弱くなります。しかし、コンクリートのみであるために、鉄筋の腐食による劣化がありません。

工事の際も、型枠を作りコンクリートを流し込むだけなので、容易に製作でき解体も簡単です。

このような特徴から、長期間使用される建造物でありコンクリートの厚さが影響しない環境下で用いられることが多いです。ダムや擁壁などに採用されています。

コンクリートの寿命とは

人間に寿命があるように、コンクリートの構造物にも寿命があります。この寿命の長さは、施工環境や使用目的、メンテナンス状況によって大きく変化します。

コンクリートの寿命は一般的に耐用年数と表現されます。法定耐用年数や物理的耐用年数などの基準を総合的に評価して「目標耐用年数」が設定されます。構造物の寿命は立地条件や使用状況などによって左右されますが、80年~100年以上も長持ちさせることができます。

コンクリート構造物の理想的な目標耐用年数は以下の通りです。

  • 高品質な建築構造物:100年
  • 通常の建築構造物:60年
  • 土木構造物:50年

となっております。高品質に作られたコンクリート構造物は約1世紀も持つことができる優れた耐久性を保持しているのです。

NejiMOのご紹介

NejiMOの代表である道脇裕は、CB→zeROBOというコンクリート制御技術を開発致しました。コンクリート内部に無数にある気泡(コンクリートバブル)を特殊な装置によって、コンクリート内部から排出し気泡レスなコンクリートを製造することが可能です。本技術を用いる事で、従来のコンクリートでは不可能であった、寿命100年を優に超えるコンクリート構造物の製作が可能となりました。

 

コンクリート超寿命化を可能にした気泡制御技術のご紹介はこちら。
特集「発明家、道脇裕」 (nejimo.co.jp)

 

NejiMOは新たな付加価値を創出し、お客様へ他社にはない新たな技術と価値を提供致します。

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