コラム

<次世代メンテナンス⑤>電気保安のスマート化

2022.01.24

「<次世代メンテナンス①>3つの保全方式」   「<次世代メンテナンス②>CBMを実現する6つのステップ」「<次世代メンテナンス③>保全・故障に関連する用語の整理」では、次世代メンテナンスの一般的な内容について理解を深め、「<次世代メンテナンス④>社会インフラの保全業務の高度化」では社会インフラに焦点をあてました。今回のコラムでは、より具体的に、発電や送配電・変電等の電気保安の未来について説明させていただきます。

 

日本の電気保安分野が抱える課題

電気保安分野においても他の分野と同様に、高齢化による人材不足、自然災害の激甚化、各電気設備の老朽化は深刻な課題です。また、昨今新たに表面化し、今後も継続すると考えられるのは、新型コロナウィルス等の感染症対策を行いながらの電気保安の継続です。また、昨今の社会情勢を受けた再生可能エネルギー事業者等の参入に伴う電気設備やプレイヤーの多様化、またそれによる保安難易度の向上は、電気保安分野特有の課題として挙げられます。

No 課題
1 高齢化による人材不足
2 自然災害の激甚化
3 設備老朽化
4 感染症環境下での保安継続
5 設備・プレイヤーの多様化による難易度向上

 

これらの課題を解決するために、新しいスマート保安技術の導入によって、安全性と効率性の維持・向上、電気保安の高度化することが求められています。

 

導入が期待される新技術と将来像

2021年4月に経済産業省産業保安グループ スマート保安官民協議会 電力安全部会が公表した電気保安分野スマート保安アクションプランの中で、スマート保安に資するものとして開発・導入が期待される技術分野を以下5つにまとめています。

No 技術分野
1 ロボット・ドローン
2 センサー・カメラ
3 定期・常時伝送
4 異常検知・予兆検知・CBM
5 ウェアラブル機器・携帯端末等

これら技術を活用したスマート化を推進し、人の作業と先端技術を組み合わせた新しい保安の全体像の整理が必要とされております。

また、これらの技術導入によって、電気保安の将来像としては、

①労働集約的な現場作業の合理化、機器による常時監視化・遠隔監視化の普及拡大

②主観的・暗黙知であった一部判断内容の客観化・形式知化

③現場作業内容の知識集約化

といった、本質的な変化が生じるとされています。

 

技術実装のターゲットイヤーと導入ステップ

電力安全部会では2025年を技術実装のターゲットイヤーとして定め、「現時点で利用可能な技術は2025年までに確実に社会実装し、研究途上の技術については引き続き開発・実証を進め2025年度以降の社会実装を目指す」としております。

①確立した要素技術

・既存の保安技術の補完性・代替可能性について実証

・法令や業界指針の必要な環境整備

②未確立の要素技術

・開発・実証

・要素技術を組み合わせた保安システム全体のマネジメントモデルの実証

・技術確立段階で法令や業界指針の必要な環境整備

電気保安分野におけるスマート保安導入に向けて、官民それぞれの積極的な取り組みが求められております。

 

smartNejiのご紹介

NejiMOが提供するsmartNejiはスマート保安の適用を推進する技術です。smartNejiは物体にかかる応力を直接検知することが可能です。緩まないネジに立脚した高度なセンシング技術は、締結箇所のみならず、物体全体の状態を監視することを可能とします。smartNejiはその他のセンサー技術とは異なり、スマート保安導入のハードルとなる不確定性の多くを除去し、より高品質なデータを取得することを可能とする技術であり、「次世代メンテナンス」の実現に寄与します。

smartNejiについては、特設HPで詳しく説明しておりますので、リンク先をぜひご覧ください。

smartNeji (nejimo.co.jp)

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