コラム

<次世代メンテナンス①>3つの保全方式

2021.11.01

国・地方自治体や企業において、保有する設備・インフラの保全活動は重要な責務であり、維持費の削減や耐用年数の延長は取り組むべき重要課題です。日本を含む先進国の多くは、人口減少による保全要員の減少や、老朽化による保全費の高騰など、複数の課題に直面しており、高度な保全方式「次世代メンテナンス」の導入が必要とされております。 

本コラムでは保全業務の基本的な概念と、「次世代メンテナンス」の実現に貢献するNejiMOsmartNeji技術についてご紹介させていただきます。 

 

3つの保全方式 

保全対象となる設備・インフラの高度化と併せて、保全方式も時代と共にテクノロジーを駆使した効率的なものへと進化してきており、現代では大きく3つに分類されます。 

 

  1. Reactive Maintenance (事後保全)

事後保全は、3つの保全方式の中で最も原始的な方式で、設備・インフラが故障・破壊した後で修復をするという考え方です。事後保全のメリットは保全準備にかかる費用が安いことですが、デメリットとして、設備・インフラの故障・破壊を回避できない点があげられ、結果として修繕まで含めた合計の費用は大きくなる可能性があります。設備故障による生産停止はメーカーに大きな損失をもたらし、インフラの破壊は人命に危険な影響を与える可能性もあります。事後保全方式を採用する場合には、これらのリスクを最小限に抑えるために、故障・破壊の即時検知、短時間修復とそれらの記録に関する仕組みづくりが必須となります。 

 

  1. Preventative Maintenance(予防保全)

予防保全は、故障・破壊する前に定期的に検査・修繕・部品交換等を行うことで、生産設備やインフラ機能の停止を予防する考え方で、時間を基準に保全をするTime-based Maintenance(TBM、時間基準保全)が主な手法です。TBMでは動作時間を示すセンサーなどから収集した過去のデータをもとに、設備・インフラごとに基準時間を設定します。実動作時間を集計し、累積値が基準時間に到達したら検査・修繕・部品交換等を行います。予防保全のメリットは、故障による設備稼働率低下の一部回避や、耐用年数の延長が実現できることです。一方でデメリットとしては、まだ故障していない部品も交換してしまうため、予備品も含めた保全コストが増大することが挙げられます。また、過去のデータから算出された時間を基準とすることから、設備・インフラの使用方法等が変わった時に突発故障のリスクが高まります。 

 

  1. Predictive Maintenance(予知保全)

予知保全は、3つの保全方式の中で最も進歩した方式と言えます。予兆を掴んで設備・インフラの故障・破壊を予知し最適なタイミングで保全を行う考え方です。設備・インフラの部位・部品の状態をセンサーとシステムを用いて常時監視し、データ分析に基づいた故障・破壊予兆診断を用いるCondition-based Maintenance (CBM、状態基準保全)が主な手法です。CBMは、温度、電流、振動、圧力、流量、トルクなどの情報を得る様々なセンサーの技術革新と、閾値を設定するためのAI等を用いた解析技術の発展によって実現されました。予知保全のメリットは、突発故障などによる生産設備やインフラ機能の停止をほぼ完全に抑止することと、保全活動の高度な効率化による保全コストの削減を両立することです。一方でデメリットとしては、導入コストが高いことがあげられます。予知保全を全ての設備・インフラに適用することは現時点のコスト構造では現実的ではなく、導入箇所の優先順位付けが重要となります。また、もう一つのデメリットは、状態監視・予兆診断ができる内容は、当然ですが、センサーが取得できるデータに依存してしまうことです。より高度な予知保全の実現のために、センサー技術の発展は今後も重要なテーマになると考えられます。 

 

保全計画の策定 

保全活動の現場では、保有する設備・インフラごとの重要度などを記載した、設備・インフラリストを作成し、それぞれに3つの保全方式のメリット・デメリットを考慮しながら、一つ一つ当てはめた保全を作成することが一般的です。要求される信頼性を基軸に保全方式を組み合わせる考え方をReliability Centered Maintenance(信頼性中心保全)と呼びます。 

 

smartNejiのご紹介 

NejiMOが提供するsmartNejiは、3つの保全方式の中でも予知保全の適用を推進する技術です。smartNejiは物体にかかる応力を直接検知することが可能です。smartNejiは既存のセンサー技術を革新的に飛躍させるもので、「次世代メンテナンス」を実現します。 

 

smartNejiについては特設HPで詳しく説明しておりますので、リンク先を是非ご覧ください。

smartNeji (nejimo.co.jp)

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