オープンイノベーションとは?事例をもとに紹介
2024.02.21
オープンイノベーションとは、企業が外部のアイデアや技術を活用して新たな価値を生み出すプロセスです。この戦略は、企業が内部リソースのみに依存するのではなく、スタートアップ、研究機関、他業界の企業など、外部の知識と技術を組み合わせることにより、イノベーションを加速させます。ここでは、オープンイノベーションのメリットと、企業における具体的な事例を紹介します。
オープンイノベーションのメリット
オープンイノベーションは、新しいアイデアやソリューションの迅速な取り込みを可能にし、企業のイノベーションプロセスを強化します。
オープンイノベーションのメリットとしては大きく3つ以下が挙げられます。
- 新たな知識や技術の習得
- 取り組みのスピードアップ
- コスト削減、開発期間の短縮
詳しくは『<オープンイノベーション>日本企業における重要性』をご参照下さい。
オープンイノベーションの具体的事例
フィリップス社の事例
フィリップスは、経営不振からの脱却と事業の再構築を目指し、2004年にオープンイノベーション戦略を採用しました。
この戦略では、外部の技術やアイデアを積極的に取り入れることで、新たな事業領域への適応を図りました。
特に、家庭用電化製品からヘルスケア製品への事業転換を進め、外部の専門家や企業との協業を通じて、イノベーションを加速させました。
その結果、オープンイノベーションの象徴的な成功例として「ノンフライヤー」が開発され、大きなヒット商品となりました。
また、フィリップスは、オープンイノベーションを通じて、社内外のリソースを組み合わせることで新しい価値を創出し、事業の多様化と成長を実現しています。
P&G社の事例
P&Gは、オープンイノベーションモデル「コネクト・アンド・デベロップ」を通じて外部のアイデアや技術を積極的に取り入れることで、新製品開発を加速しています。
この戦略の下、P&Gは多くの革新的な製品を市場に投入し、その中でもプリングルズの新シリーズにおいて、ポテトチップスの各片に絵や文章を印刷する技術を導入しました。
この技術は、インクジェットプリンターメーカーとの共同開発ではなく、イタリアの大学教授が経営する小さなパン屋が持つ技術を活用することで実現しました。
P&Gのこの取り組みは、外部のアイデアや技術を活用することで、製品開発のスピードと効率を大幅に向上させ、企業の成長を促進しています。
KDDI社の事例
KDDIは、外部パートナーや産学官との連携によるオープンイノベーションを推進することで、生活者の視点に立ち、様々な分野でライフスタイルを変革することを目指しています。
特にビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を通じて、5GやIoTを活用した新たなビジネスソリューションの創出に取り組んでおり、450社以上の法人が利用しています。
また、「KDDI Open Innovation Fund」では、AIやIoTなどの分野におけるスタートアップ企業への出資を行い、その成長を支援しています。
さらに、事業共創プラットフォーム「KDDI ∞ Labo」を通じて、スタートアップとの共創を進め、5G時代における社会にインパクトのある新事業の創出を目指しています。
まとめ
オープンイノベーションは、企業にとって大きなチャンスを提供します。外部のアイデアや技術を活用することで、新たな価値を生み出し、持続可能な成長を実現することが可能です。これらの事例は、オープンイノベーションがいかに企業のイノベーションを加速させ、競争力を高めるかを示しています。今後も多くの企業がこのアプローチを取り入れ、新たな成功を収めていくことでしょう。
<参考情報>
・Philips, Delivering innovation that matters to you Our Open Innovation Journey
・Harvard Business Review,Connect and Develop: Inside Procter & Gamble’s New Model for Innovation
https://hbr.org/2006/03/connect-and-develop-inside-procter-gambles-new-model-for-innovation
・KDDI公式サイト「イノベーションマネジメント」
://www.kddi.com/corporate/sustainability/society/innovation/
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