<技術解説①> コンクリートの性質と特徴 NejiMOの超耐久コンクリートについて
2022.02.07
はじめに
一般的に強度が高いというイメージのある「コンクリート」ですが、当然弱点もたくさんあります。また、化学変化の産物であるため、特有の性質があることも抑えておかなければなりません。本コラムでは、コンクリートの基本的な性質と特徴をご紹介した後、NejiMO の代表である道脇裕が発明した気泡レスコンクリートについてご紹介させていただきます。
圧縮力に強く曲げや引張に弱い
コンクリートが固まるのはセメントペースト中のセメントと水が化学反応するために起こる作用です。これに砂と砂利が結びつくことにより石のように固くなりますが、実はコンクリートは圧縮力には非常に強い耐性がありますが、曲げたり引っ張ったりする力には弱いです。地震のような膨大な力やコンクリートの劣化による耐久性の低下などを踏まえると、この弱点については考慮する必要があります。
火や熱には強いが悪影響が生じる
コンクリートは一般的に燃えにくく、火に強いと思われますが、600℃の高温にさらされると、強度は半分にまで低下し、1,200℃以上では溶解してしまいます。さらに、加熱による温度上昇が急激である場合、コンクリート内部の気泡が膨張し爆裂します。このように、長時間高温にさらされることによって悪影響が生じます。
また、鉄筋コンクリートの場合、高温加熱されると、鉄筋とコンクリートの付着が弱くなるため、構造物の耐久性が低下します。コンクリートは特有の温度にさらされたときに表面に特有の変色が生じます。この色からコンクリートが受けた温度を判断することも可能です。
腐食に強いが、ひび割れを起こしやすい
コンクリートは水や酸素に触れても腐食しにくいです。ただし鉄筋コンクリートの場合、内部の鉄筋が錆びて膨張し壊れる事があります。理由は、水酸化カルシウムによりアルカリ性となっているコンクリートは、空気中の二酸化炭素などと反応すると炭酸カルシウムとなり、中性化という現象が起きます。これにより、内部の鉄筋が錆びて腐食しやすくなります。
また、コンクリートはひび割れがつきものといわれており、コンクリート内部の水分が減少するために起こります。コンクリート内部には適度な水分が含まれており中和反応を起こしていますが、乾燥によって水分が減少すると、表面が収縮してしまいます(乾燥収縮と言います)。この収縮でひび割れが生じます。他の要因としては、急激な温度変化や外食による変形、様々な劣化現象などが挙げられます。
コンクリートの用途
コンクリートは、その耐久性の高さから土木構造物に最も適した素材として昔から使われてきました。
例えば、擁壁などには一般構造用コンクリートが使われており、ダムや橋脚ではマスコンクリートが活用されています。他には、水路などはプレキャストコンクリートが用いられ、橋桁や高速道路ではプレストレストコンクリートを見かけます。このように様々な用途に応じて使い分けられているのが、コンクリートの大きな特徴の一つです。
NejiMOのご紹介
NejiMOの代表である道脇裕は、CB→zeROBOというコンクリート制御技術を開発致しました。コンクリート内部に無数にある気泡(コンクリートバブル)を特殊な装置によって、コンクリート内部から排出し気泡レスなコンクリートを製造することが可能です。従来のコンクリートでは、気泡により鉄筋を錆びさせるため寿命は40∼50年程度と言われておりました。しかし、本技術を用いる事で、寿命は飛躍的に伸び100年以上耐える事が可能となりました。激しさを増す自然災害や、老朽化するインフラ対策としてお役に立っております。
コンクリート超寿命化を可能にした気泡制御技術のご紹介はこちら。
特集「発明家、道脇裕」 (nejimo.co.jp)
NejiMOは新たな付加価値を創出し、お客様へ他社にはない新たな技術と価値を提供致します。