<オープンイノベーション>プロダクトライフサイクルについて
2022.01.17
これまでのコラム オープンイノベーション<日本企業における重要性>では、オープンイノベーションの意味やメリットについて説明をして参りました。今回のコラムでは、オープンイノベーションを用いることでプロダクトライフサイクルがどのように変わるのか、またプロダクトライフサイクルの一般的な理解を深める内容になっております。
オープンイノベーション
オープンイノベーションは、外部から技術やアイデアを新たに募集・集約し、新製品(商品)・新サービス、または新ビジネスモデルを革新的に開発するイノベーションを指します。プロダクトライフサイクルの短期化によって、新商品の開発が短期間で求められる中、新たな研究開発手法として脚光を浴びています。社内にある資源だけに依存せず、枠組みを超えることで、革新的なイノベーションを創出するきっかけにつながっています。異業種間の交流や大企業とベンチャー企業との共同開発などがオープンイノベーションの事例としてよく挙げられています。また経営学において、経済合理性に沿った経営戦略であると関心を集め、オープンイノベーションを採用する日本企業も増えています。これまで日本企業が得意としてきたクローズド・イノベーション(自前主義)に変わるイノベーションとしても注目されています。クローズドイノベーションについては前回の記事をご覧ください。
プロダクトライフサイクルとは
プロダクトライフサイクル(通称PLC)は、導入期・成長期・成熟期・衰退期の4つの段階から構成されたS字型のカーブの製品や市場の成長パターンをいいます。PLCとは、成長段階のマーケティング施策の条件が満たされているか確認をし、競争環境や顧客需要への変化などを予期して、数年後の未来に実行される経営指針を想定するために用います。導入期~衰退期までの以下にて説明いたします。
導入期
マーケット成長の初期段階を指します。新技術によって市場が創出されるパターンも多く見られ、 製品の使用方法や現在使用中の製品に対するメリットに関する宣伝を重視し、顧客へのコミュニケーションを行う必要があります。
成長期
新製品が知れ渡ると、買い手は、購入方法や製品の使用方について調べていきます。また、市場の一部がそれぞれの需要を満たす製品が求められるようになります。この段階では、 差別化を図り、オリジナル製品と競合製品は違うものだと認識するために、買い手に伝える必要があります。
成熟期
市場内での成長は終了し、企業が自社の手持ちの札を最大化しようとする時期を指します。この段階は、業界構造は固定化し、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得しています。これらの企業の目標は、市場シェアを維持し、可能であればこれを拡大することです。この段階でシェアを大逆転するのは一般的には難しいとされます。
衰退期
この段階は、売上げが下がり、利益も激減していきます。 新たに投資をする必要がほとんどないこと為、一部の上位企業はキャッシュを生み続けることができますが、それ以外の企業は撤退するか、イノベーションにより新たな価値の創造を行うか、どちらかの戦略をとる必要があります。
オープンイノベーションによるプロダクトライフサイクルの短期化
国際化が進む経済の影響により、日本企業の市場競争は日々エスカレートしています。
技術のイノベーションが進み、改新された製品やサービスが世に送り出され、プロダクトライフサイクルが短期化されています。競争優位性の確立が難しくなっています。そのため、企業は短スパンでの研究開発が求められ、従来のクローズド・イノベーション(自前主義)のみでは手一杯になってしまうのが現状です。しかしながら、オープンイノベーションを用いることで、あらゆる枠組みを超え、新たな技術やアイデアを短期間で集約することで、新製品(商品)・サービス(ビジネスモデル)の創出を可能にします。クローズドイノベーション(自前主義)の成功例が多く存在する日本企業には、まだまだ浸透するには、新しい取り組みへの理解と挑戦が求められます。そして日本企業の経営層が、オープンイノベーションを推進するための環境体制を整える組織構築が求められます。
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