コラム

<製造イノベーション>新時代のメイカーズが魅せられた3Dプリンターの魅力とは

2021.11.22

3Dプリンター登場の第一歩

3Dプリンターとは、3DCADなどの設計データを基にして、2次元の層を1枚ずつ積層していくことによって、立体のモデルや構造物を製作する機械のことです。昨今、一般の人たちにも3Dプリンターが身近になった背景には、特殊なスキルを必要とせず、確りと調整をすれば誰でも立体物を出力できる「パーソナル」3Dプリンターが登場したことがあります。安価なものでは、約5万円程度のものまで登場しました。いくら、3Dプリンターが面白いモノであっても、実際に目にすることが出来なければ、ここまで話題になることはなかったでしょう。いまや、スイッチを入れれば誰でも使うことのできる一般的製品へと変革し、その気になれば非製造業の人たちでもできるようになりました。

このため、3Dプリンターの登場によって、製造業以外の人たちもプロそっくりの道具によってモノづくりをする力を得ることができたと言えます。

しかしその一方で、3Dプリンターは過大に評価されている面があります。まるで「日本から金型メーカーがなくなる」といった極端な意見も散見されています。実際は、加工の品質は切削加工には劣りますし、量産性能では金型とは比較になりません。したがって大事なことは、製造の一手段となった3Dプリンターの特徴をよく知り、どんな用途に向いているのかを理解することです。

本コラムでは、基本的な3Dプリンターの仕組みから出現し始めているビジネスチャンスまでをご紹介させていただきます。

 

3Dプリンターの仕組み

3Dプリンターの仕組みについて考える前に、立体物を造型する4種類の方法についてご説明いたします。

1.削りとる方法(切削加工)

切削加工とは材料の物体を刃物で削って造型する方法です。昔から存在する造型方法であり、彫刻刀やノミなどで削るのも切削加工の一種です。工業製品などでよく使用され、大量生産に欠かせない金型を作り出すのも切削加工によって行われています。昨今では、マシニングセンタと呼ばれる自動で工具や材料を交換できるコンピュータ制御の工作機械が普及しており、従来であれば複数の工作機械が必要であった加工がマシニングセンタ一つでこなせるようになりました。

 

2.変形を利用する方法(塑性加工)

既存の材料を変形させて形状を作る方法です。材料に力を付与させていくと、まずは弾性による変形が生じます。これを「弾性変形」といい、力を取り除けば材料はもとの形に戻ります。しかし、ある以上の力を加えたところから塑性による変形が始まります。これを「塑性変形」といい、力を取り去ってもその形が残ります。この性質を利用して製品の形を作っていく加工法を、塑性加工といいます。我々の周囲では、自動車のボディやL字金具など、プレスによって大きな力を加えて目的の形状に変形させて作られています。

 

3.型に流し込む方法(鋳造・射出成形)

型に流し込んで製造する方法です。砂型に溶けた金属を流し込んで形状を作り出す鋳物などは、はるか昔から存在します。この型に材料を流し込む方法の中で最も新しいのは、「射出成形」で製造する方法です。造形のための金型に溶けた樹脂を流し込んで成形し、家電製品の筐体やプラモデルなどの製造に多用されています。

 

4.積み重ねて作る方法(積層造形)

最後は3Dプリンターでも使用されている方法です。縄文式土器のように、材料を積み重ねていくことで造型します。

3Dプリンターの基本は、材料を薄い層にして、それらを積み重ねて作ります。積層するので、基本的にどのような形状でも造型することができます。さらに、他の方法と比較して加工時間やコストを抑えることができます。そのため、試作工程の効率が向上し、製品開発速度が上がります。

 

3Dプリンターの5大造型方法とは

1.熱溶解積層方式(FDM法)

リールに巻かれたワイヤ状の材料を高温に熱したヘッドを高温にして溶かしながら積み重ねていく方法です。溶けた樹脂はすぐに冷えて固まるため、比較的安全に利用できることが特徴です。この技術をベースにした中低価格帯の機種が数多く生まれ、現在まで3Dプリンターの主流となっています。

 

2.インクジェット方式

いわゆるインクジェットプリンタのインクの部分を光硬化性樹脂にして、土台に吹き付けていきます。積層のピッチがFDM方式よりも小さいため、高精度・高解像度の造形が可能であり、ラバーライク(柔らかい)ものやABSライク(硬い)など複数の材料を利用できる機種もあります。

 

3.光造形方式(SLA)

最も歴史の古いこの方式は1987年に世界で初めて実用化されました。光硬化性樹脂に対し、紫外線を当てて一層ごとに樹脂を硬化させながら立体物を造型する方式です。一層の造形が終わると、造形台が垂直方向に下がり、次の層の造形を行います。非常に微細な造形が可能で、自動車の部品モックアップなどにも利用されています。

 

4.粉末焼結積層方式(SLS)

粉末で提供される材料に対し、高出力のレーザー光線を照射して焼結させる造型方式です。使用可能な材料は樹脂に限らず、アルミ合金・ステンレス鋼・ニッケル系合金・マルエージング鋼など金属材料を資料した方法も注目を集めております。鋼材の場合、今までの切削や型では造型できなかった形状が実現でき、実製品の部品としての活用も期待されています。

 

5.インクジェット粉末積層方式

石膏などの安価な粉末をプリントヘッドから出し、硬化させながら積層させていく造型方式です。最も大きな特徴は色付きで出力できる点です。用途としては、3DCGモデリングしたフィギュアのサンプルや建築模型など、強度を求めない造形物に対して使用されています。

 

3Dプリンターの製造にはデータさえ準備できれば、後は人手を介さずに造型を進めることが可能であり、造形に要するスキルも要らず誰でも製造できます。この手軽さが魅力となってブームを引き起こしています。

 

3Dプリンターの活用によるビジネスチャンス

元々は「ラピッドプロトタイピング(高速で試作する技術)」として、以前より開発シーンで利用されてきた3Dプリンター。技術の進化と多彩な機能によって、その活躍の幅はますます広がりを見せています。この数年で伸びてきている活用方法やサービスの事例についてご紹介いたします。

 

1.インジェクション

強度の高い材料を利用した3Dプリント造形物を量産用の原型や型として利用することで、小ロットの最終製品を製造することができます。

2.治具

短期間で高精度な治具を造型することで、従来の切削加工と異なり、製品製造現場においても納期短縮やコスト軽減に大きく貢献することができます。また、現在では大量生産のための金型を3Dプリンターで造型するといった動きも見られます。

 

3.試作出力サービス

このサービスは、ユーザー側は設備投資なしに、低コスト・短納期化というメリットを享受できます。またサービスを提供する側は、底堅い企業ユーザーの増加によって、経営が安定し稼働率が高くなることによって、最新設備を投入し続けることができます。

 

4.3Dデータ出力サービス

これは作りたいものは決まっているが、モデリングは難しいといったニーズに応えるように誕生したビジネスです。自社でノウハウを蓄積する時間を確保するよりもモデリングのみ外注した方が早いといった企業にとっては非常に有効な手段です。出力サービスを展開している企業においても、このモデリング作業による売上が大きいといったことは珍しくありません。

 

いかがでしょうか。2010年頃より注目され、非製造業の人たちにも爆発的に普及した3Dプリンターによるイノベーションは、全く新しい領域のモノづくりとなっています。まだまだ発展途上の分野であり、今後も様々な技術や機能を持つ3Dプリンターが生まれ、製造業全体にイノベーションを起こす可能性があります。

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