コラム

<イノベーションの種>高速道路の発展とイノベーションの関係

2021.11.08

「インフラ」とは国土そのもの

インフラとは、「インフラストラクチャー」の略語であり、この言葉は「下部構造」を意味しています。道路や鉄道、河川、上下水道、パイプラインなど土木で整備されている土木施設のことであり、我々の社会や国家を支える下部構造のことです。ただし、我々の社会を下から支えているのは、こうした人工的な施設だけでなく、それらを支える地面すなわち大地によるところが大きいといわれております。

こうした「人工的施設+大地」によって我々の社会が成り立っており、この一体物こそが都市と呼ばれています。それら都市の国単位での総称が「国土」となります。つまり、「インフラ」とは国土のことであり、この「インフラ」が社会を規定することによって、今日まで様々なイノベーションを導いてきました。

本コラムでは、代表的なインフラの一つである高速道路がイノベーションにどのように寄与してきたかについてご紹介させていただきます。

 

高速道路は「リアル版どこでもドア」

どの都市からも離れたところにあるような土地は、たとえそれが良質な地盤を持ち、広大であったとしても、その土地は見向きもされません。しかし、同じ土地に瞬時に行けるようになれば、多くの人が集まることが予想されます。つまり、その土地の意味や価値は、土地自体の質以上にその土地への「行きやすさ」に決定されています。

そのため、それぞれの土地への行きやすさを生み出す交通インフラの有無が、土地の意味を組み替える力であり、周囲の土地にイノベーションを起こすツールとなっております。

例えば、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)を見てみると、東京を大きく取り囲む、総延長約300kmの日本最大の環状道路であり、東京に伸びている全ての高速道路と交差しています。そのためこの圏央道に乗れば、東京都心を含む首都圏の各エリアのみならず、文字通り日本中のあらゆる都市に高速で行くことが出来るようになります。これは現代社会におけるリアル版どこでもドアのような存在となっています。

だからこそ、これまで片田舎の田園地帯だった場所が、圏央道によって10年足らずで産業団地へと変貌し、ある町では固定資産税が約2億円増加する結果となるなど、高速道路が「地域にイノベーション」を起こす巨大な力となってます。

 

変化する交通インフラと自動化・省力化

地域全体にイノベーションをもたらす高速道路の存在は、今や我々の生活に欠かせないものとなっています。しかし、これら高速道路などは高度経済成長期である1960-70年代に集中的に整備されてきました。その結果、2020年代を迎えたいま、建設後50年以上を経過する設備が多くなっており、自然災害への対策や、老朽化する高速道路の維持管理・更新が社会課題となっています。このため、高速道路そのものへのイノベーションが不可欠となり、デジタルや最新技術を活用した点検・補修の自動化・省力化に期待が寄せられています。

 

  • AIの活用による点検作業の自動化・省力化

これまでの点検作業では、技術者による目視や打音確認が中心に行われてきましたが、センサー・カメラ技術をAI技術の組み合わせによる自動化・省力化が実現され始めています。具体的には、自動車やドローンに搭載した高性能なカメラやセンサーで高速道路や橋梁などの損傷状態をデータで取得し、これらのデータをAIによって自動解析することで、路面やトンネルのひび割れ、空洞、橋梁のサビなどを検出します。これにより従来の1/10の時間で点検を完了できるようになった事例もあります。さらに、ドローンの活用により従来では人が立ち入ることのできなかった危険区域での作業・点検が可能となり、点検内容そのものが高度化してきています。

 

  • 高機能素材の開発による自動化・省力化

点検作業の自動化が進み、補修の緊急度が高い高速道路が特定されるようになったとしても、すぐに補修できなければ事故を未然に防ぐことはできません。このため、コンクリートやアスファルトの素材そのものに関する技術開発が進んでおります。その一つが「自己治癒型コンクリート」の素材技術です。これらはコンクリートと同じ成分である炭酸カルシウムを生成するバクテリアがひび割れを自己修復したり、「再活性カプセル」によってアスファルト液が染み出し劣化のスピードを遅らせる技術で、商用化に向けた取組みが進められています。このように、点検だけでなく高速道路そのものの自動化も視野に入りつつあり、より安心安全な交通インフラ環境が実現されようとしています。

 

NejiMOでの取組み

NejiMOは、イノベーションによって高速道路の騒音問題を解決いたしました。NejiMOが提供する「超高性能吸音板」では、吸音材ではなく機械的構造によって90%以上の音を吸収することが可能です。この吸音板は、高速道路のみならず様々な都市環境での活用が可能であり、まさしく「地域にイノベーション」を実現することができます。

 

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